最近では、ネットを通じたメールでのやりとりがほとんどなので、著者が高齢の方の場合、本人ではなく、その身内の方、子供や孫が出版を依頼してくることもあるようです。お母さんの詩集、お父さんの自分史を作って、記念日にプレゼントしたいという方もいらっしゃいます。また、故人の著書を作り、一周忌に配布するなど、本人が著作しないケースにも、自費出版は対応できるのです。

Cさんは、母親が末期がんとの診断を受けてから、生前に何かできることはないかと考えた結果、母が創作した俳句や短歌から、投稿して入選した作品を句集としてまとめ、本として母にプレゼントすることを思いつきました。身内だけに配るだけの私家本でもいいかと考えたのですが、入選した作品であり、少しでも多くの人に作品を見ていただけるというのは母の励みになるだろうと考え、100部か200部程度の小部数を流通にのせてくれる出版社を探し、出版化にこぎつけたそうです。

また、Dさんのお父様は生前、エッセイや小説などを書き溜めていたそうです。作品は、同人誌でも発表していたそうで、一周忌を迎えるにあたり、Dさんは、本にまとめ配布することにしました。こちらは流通にのせることはなく配布用に制作するもので、亡くなったお父様、また、お仲間が喜んでくれるような本づくりを目指したそうです。挿絵にはお父さんが好きだった花の写真をました。お父さんの感想はもう聞くことはできませんが、お父様のお仲間からは、「彼自身が出版するとしてもこういう本を作っただろう」というお褒めの言葉をいただき、生前投稿されていた同人誌にも紹介されることになったそうです。また、Dさんは、本ができるまで、父のことを考え、父の好みを思い出し、まるで、父と会話をしているような作業だった、自分にとっても、よい一周忌を迎えらえた、とおっしゃっていました。